中央大学陸上競技部長距離ブロックと作新学院硬式野球部と
※ブログ引っ越しました

【第96回箱根駅伝】(復路回顧)

6区若林陽大:区間10位(59:25)】

今年の山下りは、フレッシュな1年生に託されました。畝くんと同じ倉敷高校出身の若林くんで、山の登り下りとも倉敷高校OBになりました。復路一斉スタートで集団走になりましたが、最高点の4.8k芦之湯では1558区間4位でした。かなり突っ込んで入りました。ほとんどテレビには映らず、様子は定点の記録のみでしたが(定点でもテレビには映らず)、本格的に下りに入ってからは、9.0k小涌園前は2652区間8位。13.4K大平台では3836と、区間一桁とは差のない区間10位でした。ラスト平坦の3kも何とか粘って、区間10位、総合13位でタスキを繋ぎました。60分のタイム設定だったようですが、60分を切るどころか、59分半も切ってきました。まだ1年生ですが、突っ込んで前を追って、スピードを怖がらず、ラストの平坦でも粘ることができました。山下りのスペシャリストが誕生しました。

 

7区森 凪也:区間12位(1:04.50)】

エースの森凪くんが7区に入りました。集団で前を追える展開になりましたが、なかなかペースが上がりませんでした。11.6k二宮の定点では、3432区間12位。終盤18.4K大磯でも、5602区間12位でした。本来の森凪くんであれば、ある程度のペースで入って、後半は粘りに粘るスタイルですが、(事後情報によると)コンディションが合わず苦戦したとのこと。今回7区は、明治阿部くん、東海松崎くん、早稲田鈴木くんなど、なかなかのメンバーが揃ったので、少しでもスキを見せてしまうと、大きく離されてしまいます。オランダで一緒だった東洋蝦夷森くんも同じ7区で、オランダでは五分の勝負をしていたので、目安になるかなとは思っていましたが、厳しい戦いになりました。なかなか前を詰められないもどかしい時間が続きました。去年よりも区間記録を15秒縮めましたが、高速レースに対応するには、64分前後が必要と感じました。

 

8区矢野郁人:1:07.21区間16位)】

今年も8区は、矢野くんが入りました。6.7k茅ヶ崎では、2033区間17位。一見だいぶ遅れていると感じますが、去年は後半の遊行寺坂で一気にペースを上げたので、さほど驚きではありませんでした。しかし、15.6k遊行寺坂でも、4825区間15位と、なかなかペースを上げることができませんでした。戸塚中継所では、区間16位、総合14位と、去年より約1分遅れてタスキを繋ぐことになりました。7区と併せて、中大にとっては「稼ぐ区間」という位置づけでしたが、ここでも詰めることははできませんでした。エントリー選考レースの結果が良くなかった矢野くんでしたが、ロードでは3割増しということで、駅伝では(単独走になればさらに)やってくれるだろうと楽観視していましたが、12月の調子が今ひとつだったのが影響しているのかなと思います。ロードではこんなものではないことは十分わかっているので、次回の箱根駅伝ではもちろん、直近の学生ハーフやインカレハーフで本来の姿を期待します。

 

9区大森太楽:1:10.05区間10位)】

大森くんの箱根デビューは、9区になりました。戸塚中継所では、周りのチームとは微妙な距離で並んでいたのですが、大森くんは迷わず突っ込み、前を走るチームと集団走を作りました。7.7k権太坂では、2303区間10位。まだエンジンがかかる前だったようですが、14.5k横浜駅前では、4318区間9位。権太坂では前を行っていた順天堂と神奈川大を捉え、順天堂を突き放し、神奈川大と並走まで持ち込みました。最終的に区間10位ではあったものの、鶴見中継所では総合順位を13位に上げ、タスキを繋ぎました。エントリー選考レースは非常に良い内容でしたので、区間配置も結果も容易に想像できました。本当にトレーニングを積めた1年間だったと思います。伸びしろはまだまだあるので、区間上位も夢ではないと思います。

 

10区二井康介:1:10.18区間6位)】

アンカーは、4年生ただひとりの出場となった二井くんでした。単独走で前を追う苦しい状態でしたが、5.9k蒲田では1742区間8位で、前の拓殖大42秒差まで詰めました。しかし後ろから、実力者の神奈川大荻野くんが迫り、13.3k新八ツ山橋では二井くんが区間7位、荻野くんが区間5位で並走になりました。田町~御成門まで並走が続きましたが、ゴール直前の20.1k馬場先門では、二井くんが荻野くんを突き放し始めました。ラスト3kで驚異的な粘り、突き放せるスピード、1年時に大活躍した二井くんが戻ってきました。ご家族のご不幸、自身の病気を乗り越え、最後の箱根で二井くんを見ることができました。今までの苦労を考えると、走れるだけでも素晴らしいのに、10区の中大記録を塗り替え、区間6位。本当にあっぱれです。

 

少し物足りない区間はあったものの、全体としてはおおむね設定通りに走りきれて、その証左として中大記録を更新することができました。しかし、それでもシード権には届きませんでした。このスピード駅伝時代をどう乗り切るか。メンタルなのかフィジカルなのか。当然素人の私にはわかるすべもありませんが、アンカーの二井くんが短期間でここまで戻してきたことには、大きなヒントがあるように思えてなりません。ここから1年間、また予選会を超えなければいけませんが、今年は場数を踏んで経験値を上げる意味でも、必ず全日本には出場しなければいけないと思っています。これは、スピード駅伝に対応していくプロセスで、重要な取り組みの1つであることは間違いありません。