中央大学陸上競技部長距離ブロックと作新学院硬式野球部と
※ブログ引っ越しました

【第97回箱根駅伝】(復路回顧)

続いて復路になります。

 

6区若林陽大:区間05位(58:45)】

仕切り直しの往路山下りは、去年に引き続いて若林くんでした。4チームが一斉スタートでしたが、そこからいち早く抜け出すと、去年同様いいペースで定点を走り抜けました。芦之湯区間4位、小涌園区間6位、大平台区間7位と、崩れることなく下りました。課題の下りきった平地3kも、逆にしっかり走り切ることができ、区間5位でタスキリレーしました。仕切り直しとしては、これ以上ない最高のスタート。まだ諦めない気持ちと相当なプレッシャーの中で、持ち味を十分発揮して流れを引き寄せ、中大記録で走りきった若林くんは、個人的にMVPだと思っています。

 

7区中澤雄大区間05位(1:04.07)】

前の国士舘が見える位置でタスキをもらった中澤くんですが、すぐに追いついて並走に持ち込みました。しかしすぐに突き放し、単独走でグイグイ追って、拓殖までとらえてかわしました。二宮の定点では区間4位で、走行順は14番まで持ってきました。さらに前を行く明治を追って、単独走で押していきました。明治までは届かなかったものの、区間5位、明治に27秒差まで迫りました。中澤くんの強みは、抜群のロード適性とクレバーさ。単独走でも押せて、集団の駆け引きにも強い。ミスター駅伝と言っても過言ではないでしょう。ロードの鬼が、怪我から完全復調を遂げました。

 

8区三浦拓朗:区間07位(1:05.08)】

満を持して、「4本柱」の三浦くんが8区に当日変更で登場。もう突っ込むしかない状況で、予定通り突っ込んで入りました。茅ヶ崎の定点で区間1位。城西と並走でした。そこから城西を突き放し、前を行く明治を追いましたが、明治大保くんは区間賞の走りを見せ、かわすことはできませんでした。遊行寺区間5位、影取で区間6位と、突っ込みながらも粘りを見せて、区間7位で手島くんに繋ぎました。シード権に向けてはこれしかないというレースをし、最後もしっかり粘れた三浦くんは、さすがにエースという印象でした。また、復路に三浦くんを配置できるのは、他チームにとっては驚異であったと思います。

 

9区手島駿:区間07位(1:10.08)】

復路エース区間は、距離に強い手島くんでした。権太坂では区間4位で追い上げながら、落ちてきた神奈川大と並走。その後は完全な単独走となって、必死に前を追いました。横浜駅では区間8位、生麦でも区間8位。しっかりペースを刻んで、区間7位で10区へ。大会前から単独走の練習の写真が公式インスタグラムにアップされていたので、本来大森くんが入るこのポジションにくるのかな、という予感はありました。走れなかった大森くんの分まで、しっかり押し切りました。昨年の走り初めでは辛酸を舐めた手島くんですが、この1年間本当に粘り強くなり、高い位置での安定感が増しました。

 

10区川崎新太郎:区間5位(1:10.31)】

ラスト10区は、もはや職人とでも言うべき川崎くんが出場しました。戦前個人ブログで、10区の攻略法や仕掛けのタイミングなどを細かく公表していた川崎くんですが、希望通りの10区に配置です。蒲田では区間12位ながらも、しっかり302ペースをキープ。新八ツ山橋で区間5位、田町で区間4位と、いつも通り精密機械のような刻みを見せてくれました。大手町には区間5位にてフィニッシュ。これにて陸上競技にはピリオドを打つようですが、本番に向けた調整力の高さ、単独走でもしっかり刻める正確さは、後輩たちのいいお手本になったと思います。サプライズのような調整法も見せてくれた川崎くん、4年間お疲れさまでした。

 

復路は大健闘の3位。青山学院、駒澤以外には勝っているわけで、1年間の練習は間違いではなかった証左になることと思います。逆に、往路の不調の原因は何だったのかを探すのは難しいことと思います(他の有力校も大きく順位を落としていた)。もちろんチーム全体としての原因分析も必要ですが、今回は各区間の分析や個人の分析にフォーカスを当てることもより重要になってくると個人的には感じています。負けは負けですが、いずれにしても力負けではないことは間違いないことだと思っています。