中央大学陸上競技部長距離ブロックと作新学院硬式野球部と
※ブログ引っ越しました

【第94回箱根駅伝】(往路回顧)

あけましておめでとうございます。本年も引き続きよろしくお願いいたします。さて、今年もニューイヤー駅伝箱根駅伝怒涛の3日間が終わり、ようやく全体的に落ち着きが出てきました。改めて、往路復路と2回に分けて振り返ってみたいと思います。なお、掲載している写真は、田母神選手とTwitterアカウントゆかち様がそれぞれ撮影したものを、許可を得て使用しております。

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【1区舟津彰馬:区間12位(1:02.58)】

戦前に神奈川大が、山藤くん1区起用を明言した影響か、各大学ともかなりの有力選手が集まり、レベルの高い1区となりました。舟津くんは、スタート直後にやや強引にポジションどりに(この辺は1500mの選手らしいなと感じました)行き、先頭の順天堂栃木くんの真後ろ、絶好のポジションを取りました。5kが1440くらいだったと思うので、極端なハイペースでもスローでもなく、うまく流れていました。こぼれる選手もほとんどなく、六郷橋の勝負になりました。青山学院鈴木くんがはじめにスパートし、この1回目のスパートにはうまく舟津くんは反応していましたが、その後の東洋西山くんのスパートで遅れました。1区は順番よりもタイム差。約40秒差で2区に繋ぎました。前を追える位置でタスキを渡せましたが、希望を言えばあと10秒、というところだと思います。

 

【2区堀尾健介:区間8位(1:09.04)】

この辺からあまり映らなくなるのが定番で、ネットの区間(定点)速報で確認しました。横浜駅前で区間12位(総合12位)と、序盤は上げられておらず、ひやりとしました。テレビに映った時は、拓殖大山梨学院大の留学生にかわされるシーンでしたが、落ちてきた上武大を拾い、すぐ前の日体大を追っている状況。ただ表情には余裕があり、まだ余力が残っていることはわかりました。権太坂での定点では、総合順位は引き続き12位ながら、区間9位で日体大駒澤大との並走、國學院を追っている状況でした。前半ためて、後半ビルドアップしてきました。権太坂でもまだ余裕はありました。ラストの急坂も粘りきり、國學院、順天堂、駒沢を拾って、区間8位、総合でも9位まで上げました。タイムも69分台で、素晴らしい走りでしたが、堀尾くんはあと30秒削りたいという気持ちがあったようです。

 

【3区中山顕:区間6位(1:03.42)】

いい形でタスキを受けた中山くんですが、故障明けという懸念材料がありました。嫌な予感が的中したのか、遊行寺坂で落ちてきた日体大に追いつき総合8位で並走していましたが、区間16位で、後ろの駒澤大からだいぶ詰められていました。しかし、茅ヶ崎の定点では区間11位で、後ろから上げてきた順天堂橋本くんと並走でした。そして湘南大橋では単独8位、区間7位までビルドアップ。最終的には、区間6位、総合単独8位でタスキリレーしました。堀尾くん同様前半抑えて後半ビルドアップするクレバーな走りでしたが、遊行寺区間16位から総合区間6位までビルドアップした選手は、見たことがありません。本当に故障明けなのかと疑うほど素晴らしい走りでした。状態がまだ万全ではない中でこの記録、目イチで仕上げてきたらどれだけの記録を出すのだろうと、期待が膨らみました。ちなみにネット情報によると、後半5k?定点間?か何かの記録は、中山くんは全体2番だったらしいです。

 

【4区苗村隆広:区間13位(1:04.04)】

往路の準エース区間は、苗村くんに当日変更でした。いい流れで苗村くんにタスキが渡りましたが、二宮の定点では、落ちてきた山梨学院を拾って7位に浮上するも、区間14位でした。この時点で単独走になっていましたが、こういう状態で力を発揮するロード得意の苗村くんなので、期待はありました。走りも表情も、まだ余裕でした。しかし小田原本町では、後ろから追い上げてきてしばらく並走していた駒澤大高本くんに遅れてしまいました。小田原中継所では、前を行く駒澤と14秒差の総合8位でタスキリレー。区間8位までが区間新というハイレベルな4区でしたが、例年よりタイムが出ている印象で、苗村くんの記録は去年換算で区間5位相当。駒澤との並走ではしっかり走れていましたし、区間順位は悪くても、準備していた通りには走れたのだと思います。

 

【5区畝拓夢:区間10位(1:14.30)】

今回の山登りは、1年生の畝くんに託されました。藤原監督が早々に、「山で稼ぐ」と発言していたことから、俄然注目が集まりました。箱根湯本では、ゆっくり入って区間11位。この後好走する順天堂山田くんや法政大青木くんとほぼ同じでした。大平台のへアピンでは、総合は8位と変わらずも、区間は8位まで上げました。しかし本格的な山登りが始まってからは、日体大のエース格小町くんにかわされ、小涌園区間11位(総合9位)に落ちました。しかし最高点芦ノ湯では、先述した山田くん青木くんにかわされ総合11位となるものの、区間9位と再度上げてきました。小田原中継所では後ろにいたチームが、軒並み山登りで好走して、ややリズムが崩れたのかなとも思いますが、登り区間では安定していたように思います。元箱根で遅れてきた神奈川を拾って10位に上がり、最終的には総合10位、5区区間10位でフィニッシュしました。軽い低体温症を発症していたとのことで、目標よりは少し遅かったようです。予選会直後にも軽いアクシデントがあって、本調子ではない中、まずは無事に走りきり、74分台でまとめられたことは今後に繋がると思います。しかし、当初の想定よりは1分〜2分程度遅かったようですので、これはアクシデントの分なのかなと思います。動画などを見ると、急坂でもスイスイと軽やかに登っていましたので、登りの適性はやはりあるな、と感じました。

 

藤原監督が戦前話していたように、往路はしっかり流れに乗れていたように思いました。何よりもシード権内で復路を迎えることが出来たのは、かなり大きいと思います。監督自身は、あと1〜2分削りたいと言っていましたが、順調であれば、超えられたハードルだと思います。いずれにしても、いい流れで復路にタスキを繋げました。