中央大学陸上競技部長距離ブロックと作新学院硬式野球部と
※ブログ引っ越しました

【第96回箱根駅伝】(往路回顧)

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今年も怒涛の3日間が終わりました。まだ気持ちが熱いうちに、所感や思ったことをしたためておこうと思います。

 

1区千守倫央:区間16位(1:03.27)】

ほぼフラットで、ほぼハーフマラソンの距離と同じ(少し長い)1区で、驚異的なスピードレースが展開されました。10k通過が28分台で、早稲田中谷くん東海鬼塚くん青山学院吉田くんなどが主導権を握りました。千守くんは集団最後方から。ハイペースの10kまでは集団についていきましたが、そこから自分のペースを守るかのように遅れていきました。15.2kの蒲田の通過が、先頭とは38秒差の441914番。最後5kは、蒲田より少し遅れて、6327でタスキを繋ぎました。チーム戦略として、「前半は耐える区間」という設定のもと、千守くんの持ちタイムからすると、十分にミッションクリアだと思います。ただ、周りのチームが予想以上に速かった。ハーフよりも長い距離にもかかわらず、去年中山くんが上尾ハーフで打ち立てた驚異的なタイム61327人が超え、佐藤悠基くんの区間記録にも数秒差。超高速レースの幕開けとなりました。

 

2区川崎新太郎:区間17位(1:09.01)】

2区は押していける川崎くんが抜擢されました。爆走に期待というより、一定ペースを刻んで次に繋げる役割だったと思います。8.2k横浜駅前では、2400区間16位。安定してキロ300を刻んでいる感じでした。15.2k権太坂では、4511区間17位。精密機械のようにキロ300を維持していました。最終的には、69013区にタスキを繋ぎました。70分という設定タイムを69分、きっちりキロ300を刻んで、千守くんに続いて耐える区間でミッションクリア。しかしここでも超高速レースが繰り広げられました。前々回の2区堀尾くんが6904区間8位、今回の川崎くんは、わずかに堀尾くんよりタイムはいいものの区間17位でした。留学生がいたことはもちろんですが、東洋相澤くんが驚異の65分台を叩き出し、それに続くように区間11位までが67分台。高速レースの波は止まりませんでした。

 

3区三浦拓朗:区間12位(1:03.32)】

中大としては、ここからが挽回の区間。当日変更で三浦くんが入りました。もちろん突っ込んで入って、7.6k藤沢では、2114区間6位。順天堂橋本くんと並走でき、上げていけたのはラッキーでした。14.3k茅ヶ崎4135区間8位。まだまだ粘っていました。しかし、ラスト5kで粘りきれず、平塚中継所では、6332区間12位で4区へ。突っ込んで入るのは致し方なかった部分ではありますが、並走した橋本くんは後半上げているので、橋本くんと秒差くらいで繋げたら(区間10位前後)、また違った展開になったかなとも思います。チームとしては16位に上がったので、いよいよここから、という雰囲気になったと思います。ただ区間賞の東京国際ヴィンセントくんが、59分台という恐ろしいタイムで走り、また全体的にも引き続きタイムが出て、ここでも高速レースになりました。

 

4区池田勘汰:区間11位(1:02.51)】

山に繋ぐ重要な4区は、当日変更で、今年も池田くんになりました。前が少し見える位置でのタスキリレーでしたが、池田くんも突っ込んで入りました。8.9k二宮の定点では、2606区間8位。日体大を拾って、前の順天堂や日大も見えるところまで持ってきました。しかし、15.2k酒匂橋では、4459区間10位。単独走となって、なかなか前との差が縮まらない状況となりました。しかし、この後の小田原新町では、ブレーキになった東洋大が、拾える位置まで落ちてきたので、何とか前を追っていけました。最後の5kで落ちたものの、最終的に小田原中継所では、6251区間11位、東洋大とほとんど差がなくタスキリレーしました。去年の池田くんは、6343区間9位。きっちり設定通り走り、去年より50秒縮めても、区間成績が上がらない、過酷なスピードレースになりました。

 

5区畝 拓夢:区間9位(1:12.49)】

今年の山は、復活した畝くんが再登場しました。戦前は、山登りにだいぶ手応えを感じていたようで、藤原監督も「山で一気に」という作戦だったようです。3.5k函嶺洞門では、1045区間10位。同時スタートだった東洋大宮下くん(5区間賞)を先に行かせ、ゆっくりと入った印象でした。本格的に上りとなる7.0k大平台では、2251区間7位。山登り適性を発揮し始めました。この時点で、順位に変動はなかったものの、前の順天堂や日大が射程圏内に入ってきました。上りのピークを迎える11.7k小涌園前では、区間6位、順天堂と日大をしっかり拾っていました。15.8k芦之湯の最高点でも区間7位と、順調に登っていました。ただここで、前との差がだいぶ開いてしまい、完全な単独走になってしまいました。しかも、ここからは下りもあり、厳しい状況になりました。芦ノ湖の往路ゴールは、7249区間9位。区間順位で3秒前の区間8位に、畝くんの双子のお兄さん、中学大歩夢選手が入りましたが、ラスト東洋大と並走しスパートが効いて、最後に拓夢くんを逆転しました。とはいえ、72分という目標はクリア。山に頼もしい男が帰ってきました。

 

往路は、少し苦しい場面はあったものの、ほぼ設定タイム通り。正直、ここまでのスピードレースになるとはというところが感想です。チームの持ちタイムも上がり、ハーフと10000mの2本セットもしっかりクリアしてきたメンバーでしたが、最後の5kの粘り、単独走でも押せる走りなど、少しのところで他校との差が出たのかなと感じました。シードまでは、約2分半。復路には十分戦力を残しているので、コツコツ詰めればまだまだいけるな、と感じました。