中央大学陸上競技部長距離ブロックと作新学院硬式野球部と
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【1月2日】(第98回東京箱根間往復大学駅伝競走)往路回顧

新年あけましておめでとうございます。今年も「怒涛の3日間」が過ぎました。元日のニューイヤー駅伝では、1区舟津くん、6区中山くんが区間賞を獲得し、箱根駅伝に向けて非常にいい流れを作ってくれました。その勢いに乗るような形で、第98回箱根駅伝は、往路6位、復路8位、総合6位という素晴らしい結果となりました。チーム一丸で勝ち取ったシード権、非常に多くのドラマがありました。

 

まずは、往路の振り返りをしてみたいと思います。

 

■総合順位(往路)

01位 青山学院大 5:22.06

02位 帝京大 5:24.43

03位 駒澤大 5:25.34

04位 國學院大 5:25.49

05位 順天堂大 5:26.10

06位 中央大 5:26.25

07位 東京国際大 5:26.55

08位 創価大 5:27.44

09位 東洋大 5:28.34

10位 東海大 5:29.14

11位 早稲田大 5:29.15

12位 神奈川大 5:29.26

13位 法政大 5:29.36

14位 国士舘大 5:29.49

15位 山梨学院大 5:31.42

OP  関東学生連合 5:30.15

16位 日本体育大 5:32.07

17位 明治大 5:32.20

18位 中央学院大 5:36.04

19位 専修大 5:38.46

20位 駿河台大 5:41.11

区間

01区 吉居大和 中央大 1:00.40

02区 田澤 廉 駒澤大 1:06.13

03区 丹所 健 東京国際大 1:00.55

04区 嶋津雄大 創価大 1:01.08

05区 細谷翔馬 帝京大 1:10.33

 

【1区 吉居大和:区間賞/区間新(1:00.40)】

戦前より藤原監督が宣言していた通り、今年は吉居くんが1区で登場しました。監督、チームメイト、ファンの皆さんのイメージは、それなりのペースについていって(あるいは引っ張って)、振り落とした後5~6人の先頭集団を形成し、ラストスパートで抜け出す、というものだったと思います。しかし実際は、想像をはるかに超えていました。日比谷通りに出てすぐにスローペースの兆しが見えると、サッと前に出て集団を引っ張りました。早稲田井川くん、東洋児玉くんあたりが反応し、集団を作る展開かなと思いました。しかしそこから250のペースに上げ、誰もついてこないことがわかると、そのまま250(若干切る)ペースで押し続けました。みるみるうちに後続の集団とは差が開き、10k通過がなんと2758。区間新のペースで押していきます。その後少しペースは落ちるものの、足取りや表情には余裕がありました。鶴見中継所に飛び込んだ時には、後続に約40秒差をつけ、区間記録を更新する区間賞。1区吉居くんを宣言していたことで、他校からだいぶ骨っぽい選手が揃い、接戦になることを予想していましたが、杞憂に終わりました。なぜこのような圧勝劇が生まれたのか考えましたが、夏の走り込みが予想以上に上手くいき、それにより長い距離にも自信を持てたことが挙げられると思います。加えて、12月の日体大では、負荷をかけた状態で250のペース走を行い、押せる感覚をつかんだことが良かったのだと思います。チームとしては、100点満点以上の好スタートを切ることができました。他大の心配をしている余裕はありませんでしたが、27分台の選手もいたのに、なぜ積極的にいかなかったのかな(少なくとも吉居くんよりは、ハーフに実績があるにもかかわらず…)、いっていればもっと展開は変わっていたよな、と思いました。

 
 
 
 
 
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【2区 手島 駿:区間15位(1:08.52)】

2区経験のある森凪くんが10区にエントリーされたため、中大にとっては「耐える区間」という位置づけになった2区。本来は復路で力を発揮する手島くんに白羽の矢が立ちました。吉居くんがある程度前の位置で来る可能性が高いことはわかっていたものの、復路のイメージが強い手島くんが、2区でいったいどういう走りをするか、失礼ながらもちょっとイメージがわきませんでした。先頭でタスキを受けた手島くんですが、早々に駒澤田澤くん、青山近藤くんらにかわされました。序盤から3分を少し切るラップを淡々と刻み続けいたため、決して遅かったわけではなく、やはり2区に集ったスター選手が速かったということです。その後も大きくペースを崩したりリズムを崩したりすることなく、終わってみれば区間15位、69分を切る68分台でフィニッシュでした。これは、藤原監督と事前に打ち合わせた通りのタイムだったそうです。ぱっと見は、区間下位に沈んだように見えますが、チーム事情を知っているファンにとっては、この記録、この手島くんの走りが、どれほどチームに勇気を与えてくれたか理解できたと思います。「耐える2区」に抜擢された手島くんでしたが、2区でも自分を見失うことなく、手島くんらしい粘りに粘って刻みに刻んで68分台でまとめ、シード権圏内を確実にターゲットにできる位置でタスキをつないでくれました。この手島くんの走りは、「素晴らしい」の一語に尽きます。決して失敗ではなく、むしろ設定タイムを上回った好記録です。影のMVPと言っても過言ではありません。4年生のロード職人が、陸上生活最後の大一番で、いぶし銀の活躍を見せてくれました。

 
 
 
 
 
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【3区 三浦拓朗:区間7位(1:02.38)】

3~6区は、「ジャンプアップ区間」に設定され、その先陣を切ったのが三浦くんでした。2年時に同じ3区、3年時に裏の8区を走っており、経験値は抜群。それに加え、突っ込んだり刻んだりと、クレバーな走りができることが三浦くんの持ち味です。藤沢の定点では、区間6位。1kを3分くらいで入りましたが、前の集団がしっかり見えるところでロックオンしました。その後、14.3k茅ヶ崎の定点では、東洋、国士舘、山梨、創価をとらえて総合7位のシード権圏内にジャンプアップしました。茅ヶ崎でも区間6位でしたが、しっかり後半ビルドアップできているようでした。最後は少し疲れたでしょうか、東洋に秒差かわされましたが、法政を離して総合7位、個人も区間7位でタスキを繋ぎました。春先は調子が上がらなかった三浦くんですが、全日本予選会は「王将」として出場。それ以降は主要大会に出場し続け、全日本ではゲームチェンジャーとなりました。全日本終了後は、箱根一本に絞り練習を重ね、前々回大会の3区リベンジを見事に果たしました。ジャンプアップ区間のトップバッターに三浦くんがいる、という安心感は、王将の存在そのものだと思います。

 
 
 
 
 
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【4区 中野翔太:区間5位(1:02.17)】

今シーズン絶好調で、藤原監督が上り適性を絶賛していた中野翔くんですが、細かなアップダウンのある4区で出場しました。往路での出場は、おおよそ見当はついていましたが、てっきり5区だと思っていたので、想定の範囲内ではあったものの、少しだけサプライズでした。4区は二宮まで定点が無いので、序盤どのくらいのペースだったのかわかりませんでしたが、8.9k二宮では、区間12位。だいぶゆっくり入ったな、という印象でしたが、後ろから創価嶋津くん、順天堂石井くん、法政河田くんなどが上がってきて、集団になっていました。しかも、この集団が区間賞ペースで突っ込んでいたので、中野くんはうまくそのペースを合わせ、リズムに乗ることができたようです。酒匂橋の定点では、区間7位で嶋津くんらと5位集団を形成。小田原中継所の前に少し離され、総合順位は8位と1つ下げたものの、区間5位でまとめました。予選会の走りを見て、10マイル以降の粘り(=ハーフの走力)が課題となっていましたが、冷静に序盤は入り、しっかりビルドアップするという理想的な形で、区間上位でまとめきりました。三浦くん同様、中野翔くんも全日本以降は試合には出場せず、箱根一本に合わせてきましたが、課題であったハーフの走力は、この期間にしっかりクリアされました。

 
 
 
 
 
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【5区 阿部陽樹:区間6位(1:11.58)】

畝くんの後継者は、ルーキーの阿部くんでした。シーズン序盤から大舞台に出場し、その都度しっかり結果を出している阿部くんでしたが、走力とともに適性も問われる5区なので、適性という部分では、外野の私たちにとっては未知数でした(箱根終了後に、夏合宿時の上りTTでは、阿部くんがダントツに速かったと藤原監督がコメントしていますね)。最初の定点の函嶺洞門では、前後と数秒差の区間7位と、まずは安全運転で入りました。そこから一気にギアを上げ、7.0k大平台では、区間4位にまで上げました。11.7k小涌園前では、区間5位。その後、芦之湯区間6位、元箱根区間6位と、序盤から安定して上位で走れていました。芦之湯以降、順天堂四釜くんが上げてきて、その分順番は下げましたが、往路6番でフィニッシュしました。監督の後日談によると、走力だけで持ってきたということで、確かに大きなストライドで山上りはどうなんだろう…と思いました。逆に、走力だけで押し切れる1年生もすごいので、しっかり山の準備をして臨んだら、とんでもない記録が出そうです。そうすれば、上に2人いる同期(青学若林くん、東海吉田くん)も追い越せそうですね。

 
 
 
 
 
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往路については、もはや余計なことを書かなくても、100点満点ということで認識を一致できると思います。あまりにも完璧すぎたので、復路が俄然楽しみになった今回の往路でした。