中央大学陸上競技部長距離ブロックと作新学院硬式野球部と
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【1月3日】(第98回東京箱根間往復大学駅伝競走)復路回顧

往路を完璧な形で終えることができましたが、前日のいい流れをどこまで上げていけるか、どこまで攻めていけるか、久々に楽しい復路を迎えることができました。

 

■総合順位

01位 青山学院大 10:43.42

02位 順天堂大 10:54.33

03位 駒澤大 10:54.57

04位 東洋大 10:54.59

05位 東京国際大 10:55.14

06位 中央大 10:55.44

07位 創価大 10:56.30

08位 國學院大 10:57.10

09位 帝京大 10:58.46

10位 法政大 10:58.46

11位 東海大 10:59.38

12位 神奈川大 11:00.00

13位 早稲田大 11:00.03

OP 関東学生連合 11:00.25

14位 明治大 11:00.28

15位 国士舘大 11:03.06

16位 中央学院大 11:07.33

17位 日本体育大 11:11.11

18位 山梨学院大 11:11.21

19位 駿河台大 11:13.42

20位 専修大 11:15.09

■総合順位(復路)

01位 青山学院大 5:21.36

02位 東洋大 5:26.25

03位 明治大 5:28.08

04位 東京国際大 5:28.19

05位 順天堂大 5:28.23

06位 創価大 5:28.46

07位 法政大 5:29.10

08位 中央大 5:29.19

09位 駒澤大 5:29.23

OP 関東学生連合 5:30.10

10位 東海大 5:30.24

11位 神奈川大 5:30.34

12位 早稲田大 5:30.48

13位 國學院大 5:31.21

14位 中央学院大 5:31.29

15位 駿河台大 5:32.31

16位 国士舘大 5:33.17

17位 帝京大 5:33.23

18位 専修大 5:36.23

19位 日本体育大 5:39.04

20位 山梨学院大 5:39.39

 

区間

06区 牧瀬圭斗 順天堂大 58:22

07区 岸本大紀 青山学院大 1:02.39

08区 津田将希 順天堂大 1:04.29

09区 中村唯翔 青山学院大 1:07.15

10区 中倉啓敦 青山学院大 1:07.50

 

【6区 若林陽大:区間5位(58:48)】

去年は重苦しい空気の中での復路スタートにも関わらず、最高の走りを見せてくれた若林くんが、今年も6区にスタンバイしました。今シーズンは、夏から秋に少し不調があったものの、記録会で5000m/10000mと自己ベストを出し、いつものポジションにしっかり戻ってきてくれました。久しぶりの時差スタートでしたが、前に順天堂が見える位置でのスタートでしたので、追える展開にはなったと思います。しかしその順天堂牧瀬くんは、区間賞の好走でグイグイと離して行く状況でした。まずは4.8k芦之湯で区間7番、落ち着いて入りました。本格的な下りに入り、9.0k小涌園前では区間7位。國學院を拾って、総合5番に押し上げました。13.4K大平台では区間6番、17.0kでは区間4番と、ビルドアップしてきて、平坦区間に入りました。平坦に入っても若林くんは強く、小田原中継所では区間5番、総合5番、前の帝京大学が見えるところまで持ってきました。昨年は一斉スタート、もう前を追って追って追いまくるしかない展開でも、自分の走りでどんどん前を拾いました。今年は6番スタートで、牧瀬くんが離れていく中でも、自分の役割をしっかり果たして、去年とほぼ同じタイムで走破しました。去年も指摘しましたが、どんな状況でも自分の走りをできるのは、やはりメンタルの強さ、冷静さを併せ持っている証左だと思います。今年は予選会はありませんので、怪我なく練習の積み上げができれば、6区ではもはや敵なしになる可能性もあると思っています。昨年後半は、1本1本集中したレースが続いたので、まずはゆっくりして万全の状況で春シーズンを迎えてほしいですね。

 
 
 
 
 
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【7区 居田優太:区間18位(1:05.49)】

7区は、駅伝デビュー戦の居田くんが走りました。去年好走している中澤くんへの変更もあるかもと思っていましたが、スピードスター居田くんがそのまま出場。前後とも30数秒の差がついていて、追うにしてもあまり前が見えない距離で、微妙な差になっていました。4区同様、7区も11.6k二宮まで定点がなく、GPSで様子をうかがう状況が続いていましたが、二宮の定点では区間14番。ほぼ半分が過ぎ、後ろの創価、東京国際、國學院がじわじわ迫ってくる中で、ぼちぼちギアを上げていかないと苦しくなる展開でした。しかし、その後もなかなか上げられず、18.3k大磯では区間15番、創価、東京国際と後続に差を縮められ、ほぼ集団になってしまいました。平塚中継所では、区間18番、総合7番に順位を落としタスキを繋ぎました。レース後の監督の話によると、16kあたりで、両脚が痙攣してしまったとのこと。タスキ渡しの時に変な崩れ方をしていたので気にはなっていましたが、そういう事情があったようです。監督も無理をさせず、自分のペースで行くよう指示を出したようですね。春シーズンは1500mで活躍しましたが、夏にあまり距離を踏めず、秋になってチャレンジ組で復帰した居田くん。MARCH対抗戦で10000m、12月の日体大で5000mの自己ベストを連発出し、上り調子で迎えた箱根駅伝でしたが、夏の不足分が出てしまったようです。それでも持ちタイムはチーム上位ですので、エース格として、持ち前のスピードを発揮できる3区での活躍がみたいです。

 
 
 
 
 
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【8区 中澤雄大区間3位(1:05.02)】

復路のジョーカー的なポジションになっていた中澤くんは、復路の真ん中の8区に当日変更で起用されました。全日本を見てもわかるように、ロードではチームトップクラスの走力と信頼感という位置づけになっており、いい位置できていればもっと上目指す走り、落としてきたら挽回する走りを期待されていたと思います。6.7k茅ヶ崎では、前の東京国際との差はほとんど変わらず、淡々と刻んで入っていることが確認できました。しかし15.6k遊行寺坂では、帝京を拾って、東京国際、創価と4位集団を形成。「まだ行ける」という表情をしており、区間賞も見える区間2番までビルドアップしました。18.4K影取では集団から抜け出し、単独4番、引き続き区間2番をキープ。坂を上りきったあとの平地でも、しっかり切り替えができていました。結局戸塚中継所では、駒澤のブレーキもあり、総合で単独3番、区間3番まで上げてタスキをつなげました。7区でのブレーキを一気に挽回し、さらに押し上げていった中澤くん。ロードでは安定して、持ちタイムの遥か上の走りをしてくれる安心感は、中大にとっては欠かせない存在になりました。いかに持ちタイムが箱根では意味をなさないか。今後、中大をライバル視してくる大学が出てくると思いますが、この中澤くんをタイムだけで測ろうとすると、しっぺ返しが来ると思います。

 
 
 
 
 
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【9区 湯浅 仁:区間3位(1:08.31)】

復路のエース区間は、変更なしで湯浅くんがそのまま入りました。個人的には、「絶対当日走る」と自信を持っていた湯浅くんでしたので、非常に期待が膨らみました。ロードの長いところでは安定感抜群、大きな取りこぼしもないことに加え、MARCH対抗戦では28分台に突入し、スピードも追いついてきたことを証明して見せました。7.7k権太坂では、東京国際と並走で3位集団を形成していましたが、区間10番だったため、集団のペースが上がってないのかなという不安がありました。実際、駒澤の山野くんが迫ってきているのもわかりました。しかししっかりとペースを刻めていることがわかり、まずはひと安心しました。圧巻だったのはその後ですね。横浜駅前で区間7位まで上げ、総合でも東京国際に3秒差をつけて単独3番。東京国際を振り切った後、さらにもう1段ギアを上げ、生麦では区間3番、追ってくる駒澤に30秒以上の差をつけていました。表情には変化なく、仕事人のように前だけを追っていました。順天堂がブレーキ気味だったので、もしかしたら総合2番まで見えるところ…で鶴見中継所に。井上主将が見えた瞬間に笑顔でガッツポーズをし、仕事人からようやく大学2年生に戻った瞬間でした。順天堂との差を、47秒まで縮めました。2位以下は、シード権圏外までわずかな差でしたが、ここでダメ押しできたかなと思います。8区〜9区と、攻める復路を体現しました。

 
 
 
 
 
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【10区 井上大輝:区間17位(1:11.09)】

最後のタスキは、当日区間変更の井上主将に繋がりました。今までチームエントリーには入るものの、実際走ることは叶わなかった井上主将ですが、最初で最後の大学駅伝、しかもアンカーという大役に抜擢されました。最初は抑えて入ったようで、5.9k蒲田は区間16番。駒澤がジリジリ迫ってきて、16.5k田町では、4秒差まで迫られ、ほぼ並走状態でした。その後並走に持ち込まれ、抜かれましたが、主将の意地でもう一度抜き返しました。その時に脚がつったらしく、ペースを上げられない苦し展開になりました。現状キープの苦しい走りの中でも、なんとか笑ってゴールしようと必死の井上主将に、こみ上げてくるものがありました。駒澤、東京国際、東洋にかわされてしまいましたが、今年1年の目標であった「シード権」をクリアする総合6位でのフィニッシュでした。元日のポイント練習で井上くんの起用を決めたという藤原監督ですが、ギリギリでチャンスを掴んだ井上主将の集中力、また、1年間(というよりシーズン途中で)苦労してチームをまとめた井上主将がアンカーというシチュエーションに、関係各位、ファンの皆さんは、心を掴まれたことかと思います。最高の瞬間を主将に、という選手も多かったことと思いますし、それが実現されて、もはやドラマか何かを見ているのではないかという心境になりました。

 
 
 
 
 
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6位でシード権を獲得しました。本当に長かったこの10年間。山あり谷ありで、詳述は後日にしますが、自分としてはもっともっと感涙に浸るのかと思いました。しかし実際は、吉居くんの「空前絶後」の走りがあったり、一瞬3位表彰台も見えたり、2日間ずっと興奮しっぱなしだったせいか、感涙というよりは笑顔と幸福感で終われた箱根駅伝でした。復路単独3位になった時は本当に興奮しましたが、「もっともっと泥臭く頑張って、表彰台は来年目指しなさい。」という碓井さんからのメッセージだったのかもしれませんね。また来年、泥臭く頑張った結果として、3位表彰台が待っていると思います。井上主将の系譜は後輩たちに確実に繋がれ、その背中を見ていた後輩たちがきっとやってくれるはずです。また1年、応援させてください。