中央大学陸上競技部長距離ブロックと作新学院硬式野球部と
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【1月2日】(第99回東京箱根間往復大学駅伝競走)往路回顧

大変遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。新年早々コロナウイルスに感染し、その後も救急車で運ばれたりと、ずっと体調がすぐれず更新が滞っておりました。ようやく落ち着き、箱根駅伝の総括をしていきたいと思います。コロナの影響で、解熱剤を飲みながら観戦した今年の箱根駅伝ですが、その中でも凄さ、凄まじさ、勢いを感じた大会となりました。

■往路成績

01位 駒澤大学 5:23.10

02位 中央大学 5:23.40

03位 青山学院大学 5:25.13

04位 國學院大學 5:27.10

05位 早稲田大学 5:27.33

06位 順天堂大学 5:27.41

07位 東京国際大学 5:27.49

08位 法政大学 5:28.53

09位 城西大学 5:29.08

10位 創価大学 5:29.15

11位 東洋大学 5:30.42

12位 明治大学 5:31.29

13位 東海大学 5:31.40

14位 帝京大学 5:32.20

15位 国士舘大学 5:33.16

16位 山梨学院大学 5:33.39

17位 大東文化大学 5:36.01

18位 日本体育大学 5:36.33

OP 関東学生連合

19位 専修大学 5:38.35

20位 立教大学 5:38.51

 

区間

01区 富田峻平 明治大学 1:02.44

02区 吉居大和 中央大学 1:06.22

03区 中野翔太 中央大学 1:01.51

04区 ライモイ ヴィンセント 東京国際大 1:00.00◎

05区 山本唯翔 城西大学 1:10.04◎

 

 

1区溜池一太:区間4位(1:03.02)】

前回大会で、空前絶後の1区区間新記録を出した吉居くんのインパクトが強いですが、今年は溜池くんが入りました。出雲駅伝後、全日本を外れたりなど不安がある中、昨年最後の日体大10000mで2830を切って、名乗りを上げました。学生連合の育英大新田くんが飛び出しましたが、その後ろの集団で1k300前後のペースの集団にいました。集団前めの位置で、少し利用され気味かなという感じでしたが、息をひそめてタイミングを狙っていました。例年どおり集団は六郷橋から動き始め、ここで溜池くんは少し遅れましたが、その後盛り返して区間4位で襷リレーしました。個人的な印象としては、六郷橋でのスパートというよりは、その後川崎に入ってから上げてきた感じでした(スパートのタイミングを遅らせた?)。1年生1区で不安はありましたが、期待以上の位置で持ってきてくれました。

 

2区吉居大和:区間1位(1:06.22)】

区間エントリー前は、この後3区を走った中野くんの調子が不明な部分もあったため、2区吉居大くんという可能性は、「無くはないけれども可能性は低い」というのが私たち外野の予想だったと思います。それを覆して2区にエントリー。吉居大くんらしく、最初から突っ込んで入り、秒差で前を行っていた法政、駒澤を早々にとらえて、トップの明治もかわして首位に立ちました。最初の10kが2800。2区の「序盤抑えて後半の坂に備える」という一般論が崩壊しました。ここまで来たら、逆に吉居くんがどのくらいで行くのか見てみたくなりました。10k過ぎの権太坂でペースは落ち始め、やはり突っ込みすぎか…と思いましたが、後ろから来た青山学院近藤くんのペースに合わせることで、リズムが戻り、後半の坂も粘りきりました。

2区という特殊なコースで、今までに類を見ないレースの組み立てをし、区間賞をもぎ取るあたり、もはや異次元の選手だと思います。どれだけ凄いかは、いろんな記事や分析があるのでそちらに譲りますが、近藤くんの力を借りたとはいえ、権太坂以降の苦しい場面でもう一度リズムを立て直すことができる修正力は、特筆すべきだと思います。

 

3区中野翔太:区間1位(1:01.51)】

当日エントリー変更で、3区に入った中野くん。中野くんも出雲駅伝以降、調整レースにも出ずにぶっつけになるため、体調面の不安が囁かれていましたが、往路に配置されたということで、体調面の不安は無いということがわかりました。かなりしびれる展開でタスキを受け取った中野くんですが、後方で駒澤青学がサイドバイサイドの争いをしている中、先頭を淡々と走っていました。サングラスで表情の確認はできませんでしたが、ラストスパートに入るまで表情に変化は無かったように思います。藤沢までは、後方の追い上げるチームに区間順位を先行されたものの、以降の定点である茅ヶ崎、湘南大橋は、区間トップ、総合で3区区間賞となりました。この記録は、中大記録ですかね。

2区間連続での区間賞は、いつ以来でしょうか。中大が誇るWエース2人が、箱根の大舞台で大活躍でした。

 

4区吉居駿恭:区間5位(1:01.49)】

4区は、区間エントリー通りで吉居駿くんが走りました。今回の出走メンバーでは、秋以降おそらくいちばん出走数が多かった吉居駿くんですが、レース後のスタッフ陣のコメントでは、「駿恭の体調がいちばん不安だった」とある通り、体調面とピーキングの不安があったようです。先頭でタスキを受け取った吉居駿くんですが、後ろからは駒澤鈴木くん、青学太田くんという力のある2人が追ってきており、追いつかれるまでは想定内だったと思います。追いつかれた後、粘りを見せて2人に食らいついていきましたが、酒匂橋あたりでは少しずつ差が開きました。でも、トップ駒澤とは38秒差でのタスキリレーとなり、体調面の不安を考慮すると、大きなミスがあったとは言えず、しっかりまとめてきたと言えるでしょう。トップでタスキ渡しをするプレッシャー、突っ込んで入れる勇気、粘ってまとめても物足りなさを語るあたりは、1年生離れした感じがあります。

 

5区阿部陽樹:区間3位(1:10.36)】

5区は、去年に引き続き阿部くんが担当しました。今年度は、三大駅伝皆勤賞。加えてMARCH対抗戦でも自己ベストを出すなど、本当にタフに、そして安定感抜群で走ってきました。予定通り5区へ配置されたことで、安心感と期待感を覚えましたね。函嶺洞門までは区間2位と、結構突っ込んで入りました。しかしその後も、大平台区間2位、小涌園区間2位、芦ノ湯区間2位と、登りに入ってもしっかりペースを保って、前を追っていました。青学が崩れて総合で2位に上がり、あとは駒澤を追うだけという展開で、20秒弱の差まで追い詰めましたが、駒澤山川くんがなかなかしぶとく、下りに入って逆に差をつけられ、30秒差の総合2位、区間3位で往路を終えました。

 

戦力を欠いたり、エース選手のピークが合わなかったりなど、難しい戦いを強いられた大学が多い中、中大はほぼ盤石の布陣で往路に臨み、見事に総合2位で終えました。前を行く駒澤とは30秒差。相手の失策を期待するまでもなく、力を出し切れば総合優勝は完全に射程圏内に入っている状態で復路になります。